SHERLOCK S1E3 大いなるゲーム(3)

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SHERLOCKがすごい!とんでもホモだ!と生きるのが辛い感想文。
超ネタバレ注意。
シーズン1のエピソード3「大いなるゲーム」について、(2)のつづき。
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結局、コニーの件は暴いたものの人質は死んでしまう。

S「今回は僕の負けだ、だがヤツのパズルは解いた」
(略)
J「なぜ君とゲームを?捕まりたい願望が?」
S「気晴らししたいんだ」
J「君たちは気が合う」(オッ、嫉妬か?)
S「何だって?」
J「人の命がかかってる、少しは気にならないのか!」(怒)(マトモ!)
S「気にすれば助かるのか」(あ、正論っちゃ正論)
J「NO」
S「なら僕は気にしない」
J「君には簡単?」
S「そうだ、驚きの新事実か?」
J「いや、全然」
S「僕に落胆を?」
J「いい推理だ」
S「ヒーローなど存在しない、なりたくもない」(これだよこれ)

二人の価値観の違いが一番大きく衝突する場面、冒頭の痴話喧嘩とは違いマジ諍い。
人質の命を重視しないシャーロック(自分の命すら軽んじる)と、全ての命を大切にしたいジョン(でも悪いヤツなら容赦なくブッ殺す)。
S1−1で命をかけたゲームに乗ろうとするシャーロックに対して、「バカだから!」と罵ったジョン、この構図は今も変わらない。
今回ばかりはジョンは落胆する。超ガッカリだよ君はなんもわかってくれてないんだな、って。
ちょっと(?)溝ができたうえにジョンはひいちゃったよ、ご主人様どうするよ?
現状、シャーロックからしたら謎を解きゃ救えるんだから、まずは楽しい楽しい謎解きが最優先なのは仕方ない、こりゃ分かり合うのは難しいね!

あとここで、後々も出てくるシャーロックの「僕はヒーローじゃない」という自覚のアピール。
モリアーティは彼を天使の側だと言い、マグヌッセンもシャーロックを正義と認識している。
だから彼らは計算が狂ってシャーロックを殺しきれなかったし、マグ野郎なんてまさかブッ殺されてしまった。
シャーロックは正義の側にいるけれど、あくまでもゲームの謎解きという楽しみが大前提で人助けをしたいんじゃない
ヒーローじゃないという認識だから、なんでもできる。愛するものを守るためにマグヌッセンの頭を撃ち抜くことだって厭わない。(広義ではそれを正義と捉えることができるのかもしれないけど…戦争がなくならないわけだね。。)

二人の空気が険悪になった頃モリ子からまたお題、ジョンに新聞を調べてってご主人。

S「怒って協力拒否? Not much cop, this caring lark.(思いやりもその程度か)」

ここで気になる、“思いやりもその程度か”。
何に対する思いやりやねんと思い調べてみると。

Not much cop, this caring lark.
“優しいだけで役立たずなヤツ(お節介なヒバリ)だな〜”

みたいなニュアンス、本当にひどい。(さすがの私も真顔)
犠牲者や人質のことがそんなに心配なら働けば?ってとこだろう。
こんな険悪な空気の中で、さらに喧嘩売れるご主人マジヒトデナシロクデナシ、高慢クズ野郎だよ〜。

諦めたようにうんざりと新聞を見始めるジョン、随分耐性あるな、ドMだな…。
…人質の命かかってるし、ってきっと泣き出したいだろうし、あのムカつく探偵野郎の横っ面を殴りたい気持ちこそ今だろうな。
(S2-3で殴りたいくらい嫌なヤツだって知ってる、みたいなセリフあるよね。)
なのに離れられないジョン、本当に物好きっていうかシャーロックのこと好きすぎ。

テムズ川南岸の死体発見現場。
推理をいつもの通り流暢に披露したシャーロックに

J「Fantastic!

褒めちゃう!数十分前に「役立たずなヒバリちゃんだなwww」ってバカにされたのに褒めちゃう
ほんとバカ、ほんとにシャーロック大好きすぎ、バカ!

S「お世辞はいらない

これに対し、お世辞は結構と突っぱねるシャーロック。初めての展開!
これまでジョンに賞賛されるとハン!って気持よくなってたのに、初めて突っぱねた。
さっきの言い合いのがまだ頭に来てるのか、ジョンに非難されたから?
へそ曲げてないで素直になれよ子供だな…。
ジョンなんてオマエが罵倒したのに健気についてきてんだぞ!!

画廊に忍び込んだシャーロックの警備員コス、襟を立ててるのが“らしい”。
「Have a nice day〜」
と言い残して立ち去るステップと、扉を開けるその身のこなしなんなのスマート、洗練されすぎてない??
ジョンが見てたら「ヤダかっこいいとこ見ちゃった」って胸キュンするとこだったね…。

合流してゴーレムを追うシャーロックとジョン。
路地から空を見上げて、「綺麗だな」なんてつぶやくご主人。

J「興味ないかと」(地動説知らないしね)
S「よさはわかるさ」

ち ょ っ と し た デ ー ト の シ チ ュ エ ー シ ョ ン で す よ!これは!
夜は二人で美しい星空を見上げるものよ。
このタイミングでほんの数秒のデート気分を味わうの、そろそろシャーロックの機嫌も直ってきたっぽい。

プラネタリウムでゴーレムとひと格闘後、場面は画廊へ。
人質は子供、カウントダウンが始まり、タイムアウトギリッギリで贋作の証拠に気づくシャーロック。

S「oh,プラネタリウムで耳にしたことだ」
L「何のことだ?」
S「最高だ、たまらない」(絶頂絶頂アン絶頂)
L「シャーロック!」
S「ヴァン・ビューレン超新星!」(スーパーノーヴァ!)

このシーンのシャーロック、ほかのシリーズでもこんなにテンション高いのはほかにないってくらいの大興奮。
謎を解くのが一番の快楽だからね。

画廊の件が一段落して、ウェスト殺人事件の調査に戻るジョン。
やっとシャーロックもこの案件に参加する。

J「いつから尾行を?」
S「最初から」

さすが変態ストーカー探偵様。
ウェストを殺した犯人(ウェストの婚約者の兄)の家に不法侵入していると、兄が帰ってきてジョンは拳銃で制止。
ゴーレム追跡の時は持ってなかったけど、ここでは持ってる。
以後、なんだかんだで銃を携帯するようになるジョン、ご主人との冒険生活でしっかり調教され…相棒が板についていくね。
(むしろジョンのデンジャーラヴァーな性質からしてゴーレムの時に持ってないのが不可解なんだけど、殺された警備員の家へただの聞き込みに行った帰りだったから??)

マイクロフト持ち込みの事件は一旦完了。
221Bに戻り、ソファに体育座りで俗悪番組に悪態をつくシャーロック、かわいい。

J「最凶の組み合わせ」
S「ン?
J「君と俗悪番組」
S「コニーの番組のほうが上だ」
J「設計図は返却を?」
S「ィエ(ス)」

窓が吹っ飛んだからか部屋はとても寒いらしく、縮こまってるシャーロックやちこちこタイピングするジョンから寒々しさが伝わる。
にしても、ジョンのタイプのつたなさは人差し指でやっとレベルで、そんなにPC慣れしてないの?ブログ書いてるのに??意外な側面。
会話の雰囲気はすっかり可愛らしい。
ン?って聞き返すシャーロックは子供そのもので、きちっと仲直りしてないけど二人共機嫌は直ったらしい。
そうだ、星空見上げてデート気分の時にはもう戻ってたか。

J「認めろよ」
S「ン?
J「太陽系の知識があればもっと早く贋作と判明を」
S「君は知識活用を?」
J「僕は諮問探偵じゃない」

宇宙に関する知識を蔑ろにしてたから解明が遅れたよね、ってチクリとジョン。
酷いこと言われた些細なお返しか。
それに対して君は知識を活用してないだろって揚げ足取りの反撃、どこまでも自分の非や至らなさを認めないご主人様。

J「僕はサラの家に行くよ」
って、凍える221Bにご主人様を置いて女の元に避難するジョン、冷たいな!!!!!
シャーロックは寒さをしのぎに駆け込む部屋なんてないんだぞ!

J「冷蔵庫にリゾットがある 牛乳を買わなきゃ」
S「買っとく
J「本当に?」
S「ああ」
J「ついでに豆も」
S「ウン」

えっ?だよ、普段買い物どころか家事なんて一切しないでしょシャーロック。
(そのためのジョン is 嫁
どういう風の吹き回しか、酷いことを言ったお詫びのつもりかしら。(いやいやまさか)

ジョンが出てった後、ミサイルの設計図をエサにモリアーティをおびき出すシャーロック。
モリアーティの狙いはミサイルの設計図だとふんでる、勘違いなんだけど。
そこへ現れる人質のジョン、ジョン、ジョン!驚愕のご主人。
「ビールもう一杯!」
遊ばれるジョン

当初、シャーロックを守れる勇敢さと頼もしさで相棒の座にがっちりとハマったジョンだけど、S2-3・S3-3で、モリアーティとマグヌッセンの人質になりまくる
S3-3で浮き彫りになる通り、シャーロックの最大で唯一の抑圧点、弱みは(大好物の)ジョンだ。
S1−1でマイクロフトおにいたまが懸念した、「ジョンはシャーロックにとっていい影響を与えるかも、もしくは悪い影響か」の言葉通り。
いい影響は相思相愛、最高の友達・相棒となって孤独ではなくなったことやこれに付随するアレコレ。(中の人も言ってる!愛し合ってるって!)
悪い影響は、シャーロックが弱点を持つようになってしまったこと。
例えば家族など、それまでも弱点はないわけではなかっただろうけど、それ以上に唯一無二の大切な存在になってしまった。
ゴッド・ファーザー3でも言ってる、「敵は大切なものを狙ってくる」とね…ええ、ゆえの人質。
超ヒロインポジションのジョン…。

M「番号渡したろ、電話待ってたのに」

って、ついに so cute なモリアーティちゃんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
yes!!ゲイ!!yes!!
アンドリューのかわいくクレイジーな演技素晴らしい。
このモリアーティ役のアンドリュー・スコット、普段は舞台をメインに活動しているそうで、TVや映画は稀らしい。(ちなみにゲイ)
出てくれてよかった!愛せるキュートな悪役がズバりハマってる。(これに対してマグヌッセンの愛せなさときたら何度でもデスク殴るよ)
ベネディクトのシャーロックの特異さに負けない引力・存在感があって、ちゃんと宿敵として渡り合えてるのはとても大事なことだ。

M「ポケットにブローニング銃を?それとも会えて興奮を?」
S「両方だ」

モリ子ちゃん、
Is that a British Army Browning L9A1 in your pocket, or are you just pleased to see me?
って言ってるから、なんだシャーロックが持ってる銃はジョンのだったのか。
(冒頭で退屈しのぎにぶっ放してた銃もジョンのだったわけだ。)

M「僕は(悪の)スペシャリストなんだ、君のようにね」
S「諮問犯罪者か、すばらしい(Brilliant)」
M「だろ」

感心してる場合じゃねーよって顔のジョン、そらそうだ自分はいま爆弾抱えてる。

M「親切な警告をしてやろう、親愛なる君へ、手を引け」
M「楽しかったよ、君とのゲームも、ジムに化けるのも。ゲイっぽい下着、気に入った?

ジムモリちゃんはバイだと思うけど、あえてゲイっぽい下着を仕込んでいったのは、モリ子もシャーロックをゲイ扱いしてるフシがあるよな。
ジョンを除くシャーロックの周りの人間は大概シャーロック is ゲイだと思ってる。
まーず女性を伴わないからなぁ。

S「人が死んだ
M「人は死ぬものだ!」(so cawaii!)

ジョンに人の命がかかってんだぞ!とたしなめられても意に介さないくせに、ここでは「人が死んだ」とモリ子を責める。
ジョンはシャーロックは人が死ぬことなど歯牙にもかけないと思っているけど、シャーロックはシャーロックでそれはダメだという認識はちゃんとしている。
(先にも書いた通り、謎解きで救えるのだったら謎解きが最優先だ、ってことだ。)

S「僕がお前を止める」
M「無理だ」
S「大丈夫か?」(ジョンに)
M「You can talk, Johnny boy. Go ahead.(話してもいいぞ、ほら)」

ジョニーボーイって小馬鹿にしてんな!

J(ジョン、目で大丈夫だと訴える)
S「これを」
M「ミサイルの設計図か、つまらない、どのみち手に入った」

このスキに、モリアーティを後ろから羽交い締めにするジョン

J「シャーロック、逃げろ!狙撃手が撃てば二人とも爆死だ

ってスゴイ…。
自分を犠牲にしてまでシャーロックを逃がそうとする、とんだ忠犬だ。(全世界が泣いた)
役立たずだなんて罵倒されてもなお、命をかけて助けようとするとかマジ健気…シャーロックを心底愛してるんだなァ、目頭が熱い。
そんなんでキスすらしてないとかトンデモプラトニック

M「彼をそばに置く気持ちわかるよ、ペットを愛する気持ちも。感動的な忠実さだが、手の内を見せたのは失敗だ」

今度はシャーロックに狙撃手のポインターが当たり観念するジョン、あっさりモリアーティから離れる。

M「手を引かないとどうなると思う?」
S「殺されるんだろ」
M「いつかは君を殺すが、急ぎはしない、特別な機会を選ぶよ」
M「もし邪魔し続けるなら、焼きつくす、火責めにして心臓えぐりとってやる」
S「僕には心がないそうだ
M「それは違うな…もう帰らなきゃ、お喋り楽しかった」

そうだね、心がないなら人質のために必死にならないし、ジョンを守るために命をかけて自らの手を汚しはしないね。(S3-3)

S「僕が撃ったら?今ここで」
M「僕の驚きの表情を味わえる、本当に驚くだろうからね、それから少しがっかりするだろうな。もちろん君もすぐあの世へ。チャオ、シャーロック・ホームズ」
S「いずれお前を捕まえる」
M「無理だね〜」

と、ジムモリちゃんが退場すると、慌ててジョンの爆弾ジャケットを脱がせるシャーロック。

S「All right? Are you all right?」(この必死に脱がせてるとこ本当にいい)
J「大丈夫だ」

爆弾ジャケットをズザーって床の離れた方へ滑らせて遠ざける。

J「シャーロック!」

腰が抜けてへたり込んでしまうジョン、かわいい、これまで気を張ってたんだね、本当に勇敢だ!

J「君は?」
S「僕は大丈夫だ」
S「さっきの、君がやったことだけど、身を挺してくれて…good(どうも)

このものっすごい言いにくそうさ!照れくさそうさ!
字幕だと「どうも」だけど、謝意とはちょっと違うよね。
素直にThank youって言えばいいのに!言えよ!このクズ!バカ!

J「幸い誰も見てなかった」
S「ン?」
J「君が僕の服をむしり取る場面なんて噂の的に」
S「人は噂好きだ」

って笑い合ってんじゃないよバカ!このバカップル!何楽しんでんだよ!さっきまで二人共死と隣り合わせにいたのに!バカ!
ところで公式、ジョンにしれっと何を言わせてるか。
公式よくわかってるんだな、世界中の私のような物好きがそういう目で見てるのを!

とりあえず一件落着と思ったところに気まぐれモリ子ちゃんが帰還!

M「Sorry,boys!! I’m soooooooooooo changeable!!!!!!!!!(すまないね気が変わりやすくて!)」
M「僕の唯一の弱点だ、君が続けることは許さない。君を説得してもいいが、僕が言うことはもうわかってるはずだ」

とジムモリちゃんが演説している間。

シャーロックとジョンは、目と目で「爆弾撃っていい?」「いいよ」って会話をする。
二人で死を覚悟し合う瞬間
モリアーティを止めるには今ここで殺すしかない。
二人で死のう、と、二人ならば死んでも構わないと。

S「僕の答えも分かっているはずだ」

そして爆弾ジャケットに銃を向けるシャーロック、で終わり。
(すごい寸止め!そんで2年待たすとか公式ほんとドSい!二人が忙しいっつっても!)

 

S1−3は本当にこのラストに尽きる。
S1−1の出会いから、ジョンはシャーロックを救う。
S1−3でまたしても、ジョンはシャーロックを、今度は命を捨ててまで助けようとする。
二人は目と目で一緒に死のう、と通じ合えるほど、そして一緒に死んでも構わないと覚悟できるほどの絆ができてしまった、愛しあってしまった。
すっごいホモ!なんて感嘆するだけヤボな話だけど、こんなにも強固で、お互いじゃなきゃダメな絆を見せつけられて冷静でいられようか…!

このように、S1は二人の出会いから共に死ねるというところまでズブズブになってしまったお話でした。

 

次はS2-1、ベルグレービアの醜聞について書くつもり。

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余談だけど、ハドソンさんやモリアーティが彼らをboysって呼ぶのすごく好き。
モリアーティのはバカにしてるけど、ハドソンさんの「boys」には愛が溢れてる。
四十路のオッサンとアラフォーの童貞に向かって「boys」って、まるで息子夫婦を見守るような慈愛に満ちてる。
「ボーイズ!ベッドでおやりなさい!」
というハドソンさんのセリフとそんなシチュエーションを想像してみるだけでとても楽しいですね。
(こんなセリフありません。)

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