SHERLOCK S1E1 ピンク色の研究 (2)

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SHERLOCKがすごい!とんでもホモだ!と生きるのが辛い感想文。
超ネタバレ注意。
シーズン1のエピソード1「ピンク色の研究」について、(1)のつづき。
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事件現場へ向かうタクシーでの会話。
シャーロックが流暢な早口で昨日のジョンの身上と兄の読みをどう推理したか解説。
ジョンはそれに対し
That…was amazing.(素晴らしい推理だ)」
と感嘆してしまう、素直かわいい。
「本当?」
「It was extraordinary. It was quite extraordinary.(まったく見事だ)」(大事なことなので2回メソッド)
「珍しい反応だ」
「みんなはなんて?」
「“失せろ”」
ジョンは彼のお得意の推理をかまされてただただ感心し、すごいなこの男はと感動していたのに、みんなはこれを気味悪がったりウザがったりするらしいと聞き、ジョンはちょっと笑っちゃう。
一方のシャーロック、珍しい反応をされたもんだからちょっと戸惑う。
おそらくこれまでは、後に登場するドノヴァンやアンダーソン、S1-2のクライアントであるセバスチャン(大学時代の知り合い)の例のように、ズケズケと明かされたくない事実を一方的に露呈されてウンザリする人ばかりだっただろう。
事件解決のための推理と、他人の身上を土足で暴くのとはワケが違う。
それが、ジョンが一切ひきも気持ち悪がりもせずに、ただ褒めてくれたことがシャーロックにはこそばゆく気持ちいい。
ナチュラルに、ゆがんだ自尊心を望む形でくすぐられたのだ。
(天才は自分の知性を誇示したいし賞賛されたいものだと後々の発言からもわかる。)
まさかジョンはシンプルな感嘆が、すぐ側の天才を大変気持ちよくさせていることなんてミジンコも知らない

こうして、ジョンは知らず知らずのうちに、シャーロックに勝手にグリップされていく。
2度目のチェックメイトをキメられてから、蟻地獄の底へ底へとハマっているのだ。

ところで、ハリーは兄じゃなくて姉だという種明かしだけどハリーはゲイなんだな。

そしてドノヴァン登場。
現時点でS3-E2まで見ているけど、いつまでもシャーロックがウザくてたまらない巡査部長。
(S3以降、ちったぁ悪びれろとは思う。)
シャーロックを平然と変人と呼び、「何で来たの?(来ないで)、どうやって【同僚】なんて作ったの?」ジョンに「ストーカーでもされた?」と問う。
あながち間違ってなくもない。
その場でアンダーソンとの不倫をしれっと暴かれてしまうのだから煙くて当然。
こんなことを繰り返していれば、そらウザがられる。
ドノヴァンは主要登場人物の中でも一番“普通の”人だ。
そんなシャーロックを端で見てるジョンは「あーこれじゃ失せろって言われるわ」と納得しただろう。
(状況によるよな。)

現場に到着し、シャーロックはレストレード君にジョンを【連れ】と紹介する。
ドノヴァンには【同僚】だから、紹介の仕方がちょっぴり身近に格上げされている。

探偵様は被害者の状況をひと通り確認しおえて「Dr.ワトソン」とジョンにも仕事を促す。
「手伝ってくれ」
「ただの同居人だ」
「楽しいぞ」(クズ)
「死体が転がってるのに」(まっとうだ)
「もっと深い状況分析を」(聞いちゃいない)
状況の非常識さも関わらず、まぁ医師だしやれることやっとくかとわかる範囲で検死してあげるジョン、なんだかんだ雰囲気に飲まれちゃう。

シャーロックが推理内容をまくしたてると、ジョンは思わず
That’s brilliant!(見事だ!)」
と褒めちゃう、この夜2度目
この推理内容が合ってるのかもわからないのに!だ!単純!素直かわいい!またシャロにグリップされたぞ!

さらに推理をまくし立てるシャーロックに対し
Fantastic!(すばらしい!)」
声に出てる
「ごめん黙る」
No, it’s…fine.(いいんだ)」
なにこれ!なにこのなに…SEX?あ、SEXですねSEXだ。
ジョンのかわいい声がついつい漏れてしまいどんどん気持ちよくなるご主人様の図。
こんな擬似SEXを目の前で繰り広げられるレストレード君羨ましい。(ただし蚊帳の外)
この夜3度目の賞賛、3度目の正直。
そろそろジョンはシャーロックに惹かれ始めていてもおかしくない。
こんな異常な状況下でお世辞で人を褒めたりなんてしない、心の底から素直な感嘆。
タクシーの中で自らを暴かれた段階で「こいつは本物だ」とあっさり信じ始めている…ジョン、蟻地獄の底は目前だよ…。

犯人のミスを発見して大興奮の探偵様はジョンを置いて一人で飛び出して行き、取り残されたジョンに試練が待ち構えている。
ドノヴァンが
「彼には友達がいない」
「彼に近づくな」
「彼は無報酬でこの仕事をする、犯罪に興奮する異常者だ、そのうち自分で殺人をするだろう」
「彼は心を病んでる、退屈に耐えられない」
「彼に近づくな」
とクソミソに警告、大変な嫌われようだ。
ジョンはおそらくドノヴァンの言わんとすることも理解できるが、なんせ自分も退屈に耐えられないタチだから納得もできない
さらにここまで3度も彼を賞賛したばかり、すっかり彼の虜なのだから。

さて帰ろうとすると、行くとこ行くとこの電話が鳴ってついに登場するマイクロフトおにいたまに拉致られる。
監視カメラでいつだって見てるぞって脅し付き、歩く英国政府ことマイクロフトおにいたまマジ用意周到、じわじわと締め付けてくるヘビみたく丁寧で周りくどい手法!
「立場はわかってるだろう?」って、ただの貧乏医師に立場も何もないのにかわいそうなジョン!
ついにおにいたまと対面したジョン、脚を気遣われて「結構だ」と突っぱねる気の強さ、あやしいやつには従わない勇敢な犬、愛らしさ。
「怖がってないな」
「怖くないから」
おおおおかわいい(嗚咽)
修羅場を踏んできてるだけあって、また資質もあるけどとても勇敢、そして冷静。
に対して、
「勇敢は愚かさと同義だ」
とバカにしくさるおにいたま、さすがクズなゲイ兄弟の人をコケにする技量においては英国随一
「シャーロックとの関係は?」(意味深)
「関係はない、昨日出会ったばかり」
馬鹿素直なジョン、怪しい相手にも素直だ!
「昨日出会ってもう一緒に捜査を?週末にも結婚しそうだな」
おにいたま!ジョンはあなたと同じセクシュアリティではございませんの!!!!!
揶揄にしても結婚とか言っちゃダメ、的得てるもの。
それだけ、短期間のうちにシャーロックに深入りする人が珍しいんだろう。
マイクロフトおにいたま、自分はシャーロックの友達だと述べ、ジョンは「友達には見えない」と言う、確かに。
さらに「彼に友達がいると思うか?」と、ここでもシャーロックのぼっちライフを強調される。ドノヴァンに続いて彼に友達なんかwwwと今宵2度目。(友達がいない見解の理由は全く異なるけど)
「私は友達に最も近い者で、彼にとっては敵だ」
と自己紹介、大げさなゲイ兄弟、ジョンを弄ぶのやめたげてよお。
ところでマイクロフトおにいたまの、素材(マーク・ゲイティス)を活かしたナチュラルなゲイ風は素晴らしいな!

「シャーロックと付き合いつづける?」
「あんたに関係ない」(そらそうだ)
「あるかも」
「ありえない」(確信、ハズレ)
あるんだよ〜ジョン、大いに大有りなんだ残念ながら〜。
マイクロフトおにいたまに、シャーロックの情報提供とひきかえに金銭援助を提案されたジョン、キリッと迷わず拒否。
お金に困っているのに拒否、すごいまともな人だ!
あくまでも拒否するジョンに
もう忠実な友に?」
と鋭く指摘するおにいたま、さすがシャロ以上の王国を担うキレ者。
「興味がないだけだもん」
と否定するジョン。
「【信頼問題】と記録に。シャーロックを信頼するのか?君は慎重に見えるが
セラピストの診断内容の入手なんて朝飯前のおにいたま、なんだかんだ把握済。
【信頼問題】と言われて動揺するジョン。
ジョンが認識しているかいないかわからないけど、今のジョンに足りないのは信頼がおける人間(友、彼女、妻でも可)が身近にいないことがひとつ大きな問題だ。
そこへもってきて、「慎重なくせにこんな短期間でシャーロックを信頼してんの?」と突いてくるおにいたま、ズバリ図星。
「彼に近づくなと忠告されただろうが、君の左手は離れがたいと言ってる
おにいたま、表現が官能的でフランス書院のよう…。
触れられかけてやめてと言いつつ手を差し出す素直かわいいジョンの左手のけいれんは、本人も気づかぬうちになくなっている。
「平凡な日常がシャーロックといれば戦場になる、もう経験しただろう?」
「左手の震えをセラピストは戦場のトラウマだと言うが無能だ、君は戦場を嫌ってない、戦場に戻りたいんだ、Welcome back(復帰したな)」
おにいたまに指摘され、つい先刻の現場ですっかりシャーロックを信じ始めてしまっている自分と、自分に必要なものに初めて気づかされたことだろう。
マジか…という表情のジョンの愛らしさよ。
自分でも理解しきれていない自分を、赤の他人にズバリ暴かれてしまえば居心地も悪い。(しかもおそらくその通りときてる)
不思議だねシャーロックに推理されても全然不快じゃないのにね!この差!
おにいたまは、先の捜査でジョンがシャーロックの虜になっていることなどお見通しだったけど、ジョンの心までは動かせなかったね…しょうがないねジョンはご主人様の忠犬だからね。。
で、この間、さっさと帰って来いって3回もメールしてくるご主人様、もうジョンは自分の所有物なの(嗚咽)

ところで、221Bに送ってもらいがてら怪しい悪の黒幕(と思われる者)の部下をナンパするとかジョンはあんまりお利口さんじゃない。
危機管理能力が高いのか低いのかわからない、愛らしくもかわいい馬鹿だ。

221Bに戻り、スマホを借りたいというだけで呼び戻されたことを知るジョンはちょっとウンザリして、こういうヤツかとご主人様の行動パターンを把握していくターン。
スマホを借りたいと言いながら結局お前がメールしろって、ご主人様はいつだって自分本位だけどそれでも言うこと聞いてあげちゃうから忠犬。

「君の友達に会った」
「友達?」
「敵だ」
「どの敵?」
「宿敵だと言ってた」
「金銭の申し出を受けた?」
「NO」
「次は受け取っておけ」(冗談)
苦笑するジョン。
このくだりで、シャーロックには友達と自覚する存在が本当にいないこと、敵と認識する人間ならたくさんいることがわかる。
大事なのは、金銭の申し出に対してジョンが断った点。
冗談で受け取っとけよ、と言いつつも、ジョンの信頼ポイントが上がる。タクシー、現場からのここでさらにグリップ度+。

ジョンに送信メールの本文を指示しながらスーツケースを持ってくるシャーロックのいいケツ、スタイルよすぎる。

ところで今更だけどシャーロックのSpencer Hart(スペンサー・ハート)のスーツがおしゃれすぎて反則。
特に襟が細いジャケット、あのデザインはとても洗練されていていい。
もちろん彼の体に合わせて仕立ててあるんだろうけど、まぁラインのあっぱれな綺麗さよ。
肩と、細身に仕立てた腰のラインが美しくシルエットが完璧に美しい。
長身と美しい肉付き、長い手足をさらに綺麗に魅せるスーツに英国の意地を感じる。
あの大きな手と長くしなやかな指も大変よろしい。(手フェチじゃないけど)
決してイケメンじゃないけど、独特な風貌はローマ時代の彫刻のような荘厳さを纏って美しく、とんでもない素材だなと舌を巻く。
語彙が貧弱で美しいしか出てこないけど、まさに当たり役とはこういうことを言うんだろう。
演技は言わずもがなで、少し大げさで優雅な身のこなしなんて文句のつけようがなく、見惚れる。
ベネカンちゃんの“シャーロック”を拝めるだけでも十分価値のあるドラマ。
(それだけじゃないからスゴイんだけど)

コメンタリーでは、当初、BBCからセクシーなシャーロックにしてほしいと注文をつけられていて、ベネディクト・カンバーバッチを起用すると告げたら「ベネディクトじゃセクシーじゃない」と言われたそうだ。
それが蓋を開けたらコレだ、人生30年生きてきてこんなにセクシーな面長見たことない…。
さらには、2013年には英国の「エンパイア・オンライン」の「世界で最もセクシーな映画スター」で1位になっちゃったりして、セックスシンボルにまで登りつめたあっぱれな演技力。
ただし実物のベネディクトはモッサリしたおにいちゃんで、当然シャーロックとは500%くらいの勢いでベツモノなので、BBCの苦言もわからなくない。
だからこそ、ベネディクト・カンバーバッチの“シャーロック”が冴え渡る、いわゆる憑依系役者だろうか?おっかねぇなと思う。
スピルバーグが「彼はまるでフェラーリのようだ。」と絶賛したのも頷ける。

話を戻し、スーツケースを持ちだしたシャーロックに対し言葉を失うジョン。
「僕は殺してないよ」
「疑ってない」(1ミリも疑わないのか!!)
「疑って当然だ」
「よく疑われるの?」
「時々」
あー愛しい忠犬ジョン、またグリップされたの気づいてる???
普通なら疑うんだよ、なんでお前それ持ってんだよ、ってw
でももう信じちゃってるから!金銭提供断るくらい信じちゃってるから!さっき怪しいやつに会ったんだけど!って報告しちゃうくらいに信じてるから!ご主人様を!
ご主人様も「疑ってない(ストン」と素直な忠犬がさぞかし可愛かろうと心中お察しできる。

「スーツケースはピンク色と知ってた?」
「決まってる」
「気付かなかった」
「バカだから」(鞭)
(失礼だな何様だと驚き顔のジョン)(ほんと無礼で酷いなこのクズ兄弟は)
「心配ない、みんなそうだ」(フォローになってない)
ちょっとウンザリしながら何かしら反論してやろうかなと考える間もなく
「足りないものがあるだろう」
「わからない」
と畳み掛けられて完璧ご主人様のペース。
犯人をおびき出すために被害者のスマホにメールを送ったとわかったジョン。
「警察に言った?なんで僕に話す?」
「いつもは骸骨(仮想友達)に話してる」
「骸骨の代役か」
「よく勤めてる」(褒めてる!飴!)
バカと悪気なく罵った後によく勤めてる、と飴と鞭の使い分けの妙技よ。
ジョンはジョンで、初めての飴に言い得ぬこそばゆさを感じていたはず。
タクシーでシャーロックが初めて推理を賞賛された時と同じだ。
二人の知能的格差は明白で、犯罪捜査中となるとこれはとても大きい。
捜査を通して徹底的に自分より優れている相手に、些細なことでも褒められる(認められる)のは想像以上に快感だろう。

「君は留守番でもいいよ」
「来てほしい?」
「話しながら考えたいが骸骨は持ち歩けない」
来てほしい?と問うジョンのいじらしさよ、ご主人様に求められたいのね!すっかりドツボってる。
たとえ骸骨の代役でも、君が必要だと遠回しに求められるのは気持ちよかろう。
ただしその前に気になっていることをご主人様にぶつける。
「ドノヴァンが君は犯罪に興奮するって言ってた」
チクっちゃう。
ジョンにとって、ドノヴァンよりも怪しすぎる悪の黒幕っぽいゲイよりも、まずご主人様が絶対だもんねー。
「君も危険が大好きだろ?」
そう、大好きだからドノヴァンの忠告は納得がいかない自分、わかりきってることだ。
「Damn it!(クソ)」
とちょっと毒づくジョン。
危険が大好きで冒険に顔を突っ込まずにはいられない自分にちょっと呆れつつ、やめられない止まらない(ビクビク)

「頭のいい犯人は賞賛され注目されたがる、天才は観客を必要とする」
ここで、タクシーでジョンがグリップされた理由が明白に。
犯人ではないけどシャーロックも天才で、認め、賞賛してくれる観客が必要だった。
ただ素直にそう応えてくれた、承認欲求を満たしてくれた初めての人間がジョンだったのかもしれない。
そしてジョンはただの好意的な観客からグリップを深めていき、相棒から友達へ、そして特別な存在へと知らず知らずのうちに昇格していく…ああ涎が。

 

長くなったので続きはまた別の機会に。

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