=================================
SHERLOCKがすごい!とんでもホモだ!と生きるのが辛い感想文。
超ネタバレ注意。
シーズン1のエピソード1「ピンク色の研究」について。
=================================
導入はジョンが戦地で銃弾に倒れる【悪夢】を見て飛び起きるシーン。
フーフー荒い息で泣いちゃってるジョンはいきなり加虐欲そそられていじめたくなる。
からの、ベッドに腰掛けてこれでもかと孤独で寂しい独り身の男アピール。
カメラが引くと杖→うつむくジョン、障害を匂わせて惨めさを強調、早くも胸が多方向にしくしく痛む。
デスクの引き出しからPCを取り出すと、FN ブローニング・ハイパワーがチラ見えて自殺でもしそうな悲壮感。(しないけど)
セラピストには日常復帰とPTSDの回復のためにブログ更新を勧められているけど「何も起こらないし」と書かない。
実質、彼は空虚な生活を送っており表情も暗く、切ない。
セラピストには【信頼問題】と指摘される。
退役後、恩給じゃ生活が苦しいジョン。
PTSD起因の障害あり、独り身、金もない、兄弟にはワケありで頼れないとますます惨めに描かれて大変。
誰かこの犬拾って!
元同僚マイク・スタンフォードにルームシェアを提案されて「誰が僕なんかと?」と返答するあたりすっかりいじけちゃってる、誰かこの犬(略)
「同じことを言った男がいるんだよ」と、不穏な気配漂ってキタキタ〜コレコレ。
舞台は死体安置所へ。
将来のご主人様ことシャーロック登場。
1st アクションが死体を派手に鞭打つというドSいキャラを象徴、ご主人様、犬はもうすぐですもうすぐそこまで…。
モリーのお茶の誘いをスルーした挙句に口紅変えたのって無神経に突っ込む、モテる男は褒めるもんだけどコミュ障だから見たまま指摘しただけ。
それお前のためにやってんだよっていうのは一切通じない、専門外だしチェリーだし。
ラボでシャーロックが得意の実験だか研究をしているところにジョンが連れてこられ、ついに対面。
まずシャーロックが「メールしたいからスマホ貸してくれ」といきなり斬り込む。
結局ジョンが貸すこととなり、コレからおおよそのジョンの情報を読みとる策士。ハナからなんだかんだでスマホを借りる気マンマンだったのではないか。(犬もとい同居人候補の品定めのため)
スマホを借りたら借りたで、いきなり
「アフガニスタン or イラク?」
ってWhichもWhereもない問い、すごい唐突な人だな!(社会不適合者だからな)
すかさずモリーが自分が指摘した口紅を落としてきたのに気づき「君は顔が地味だから」とぬかす、すごいヤな野郎だよ?ジョンが怪訝な顔してても何ら不自然じゃないよ!
からの、「バイオリン好き?考えるとき弾く、あと何日も喋らないこともある、同居人の短所は知っておくべき」って話早すぎワロエナイ。(短所もっとあるだろ。)
この段階で、シャーロックの中でもう8割がたジョンは同居人として「アリ」判定されてると思っていい。
(同居人の話をしたらジョンが連れてこられた=候補者と認識済)
ジョンが「なぜアフガニスタンとわかる?」と聞いても「いい部屋がある、明日の夜来て」とコミュニケーションにならない、ほんとこの探偵コミュ障。
「お互いのことも部屋の住所も知らないのに」
困惑するジョンが至極まっとうで同情する。
これに対し、ジョンの素性の読み取れた部分をざっと並べ立て最後は「これで十分だろ?」と何か問題でもといった顔でのたまうシャーロック、お得意の推理を初めて披露。
そんな(未来の)ご主人様、ラボを去り際に名前と部屋の住所を言い残したあと
なんか舌打ちとウィンク
を残して消える。
ウィンクに関しては、S3E0にヒント。
ジョンの誕生日祝いビデオメッセージで、シャーロックは「笑顔でウィンク、あれはウケがいい、人間味が出る」としている。
で、この去り際の舌打ちとウィンクだけど、上記のヒントにあるような笑顔はないもののガッツリきめてる。
笑わずとも、少なくとも多少のウケのよさは狙ってる。
舌打ちはおそらく「チェックメイト」、ここでジョンが早くもシャーロックの持ち駒になった(同居人としてOKというファイナルアンサーの)瞬間、ゾクゾクする。
まだ、あくまでもシャーロックさんサイドだけの話だけど。
(シャーロックさんサイドの頭の回転は早過ぎるから、彼の読みではもうジョンが合意して楽しく共同生活シミュレーション始めてるはず。)
…あーあみたいな顔で見てる仲人もとい仲介人のマイク、引きあわせといて説明もなし、ただ見てるだけ、まともにフォローする気ゼロ!
(しかしこの後ジョンの結婚式エピくらいでしか名前が出てこないモブなのでしょうがない。)
翌日、指定の時間にベーカー街221Bの前で落ち合う二人。
ジョンが来ていたので、シャーロック改めご主人様はさぞかし胸中でドヤったことだろう(自分に対して)。
「ホームズさん」と名字で呼びかけるジョンに対して「シャーロックと」と初めての命令。
すごい、距離の詰め方がショートカットでぐいぐいきてる。
(欧米ではわりと早い段階で名前で呼び合うだろうけど。)
続いて部屋もとい未来の愛の巣の紹介、シャーロックのもろもろの私物を「ゴミ」と言い放つジョン、素直cool。
シャロ「骸骨は友達だ!(比喩だが)」
ほんと友達いないんだな!わかるよいないほうが概ね楽だもんね!
ところでこれを書いてる私は、自称高機能社会不適合者のシャーロックの表現を借りて言えば超低機能社会不適合者なので、すごい頭脳や推理を除き、彼の心情や意図が行動パターンがだいたい理解も同調も共感もできる。(つまりただのクズです。)
話は戻り、無邪気天使なハドソンさんが「ベッドが2つ必要なら上にあるわ」と気を使ってくださる。
ゲイカップルならベッド1つでいいわよね?というゲイが大前提の含み、一番最初に気にするとこが寝所のハドソンさん、キューピッド並みの愛らしさ。
ゲイ先進国のグレートブリテン万歳!
SHERLOCK公式が最大手だけど、ハドソンさんも壁サー、現時点で2番手。
(後に2番手はジョン嫁のメアリーさんにとってかわられるけどその話はおいおい。)
「もち寝室別だよwwww」
って己のノンケなセクシュアリティを主張するジョンに
「ゲイって隠さなくてもいいから^^^」(石直球訳)
ハドソンさん人の話聞かねー^^^^
これ対してシャーロックもシャーロックで、特に否定もしないもんでジョンが「えっ」てなってるじゃん最高。
この時ジョンが「え、なにこいつゲイなの?」って体こわばらせたと思うとトキメキ。
そこへレストレード君がやってきて、シャーロックにもうお手上げだ助けてくれと連続自殺事件の新展開にヘルプを求める。
「鑑識は?」
「アンダーソン」
「僕に合わない」
「君の【助手】では」
「【助手】は必要だ」
ご主人様、アンダーソン嫌いすぎててうける、よっぽど肌に合わない。
決してアンダーソンが無能ではないはずだけど、シャーロック的には物足りなすぎるし見解等があまりにも“バカ”で許せないレベルで使えないんだろう。
レストレード君もレストレード君で、シャーロックはただの一探偵、アンダーソンはスコットランド・ヤードの鑑識だからシャロの助手でもなんでもないぞ!
ヤケクソとはいえ、5年のつきあいでシャーロックを信用しきってる、レストレード君もシャーロックが大好きすぎて一方的に犬。
レストレード君がシャーロックの相棒になりえないのは、おそらく事件を持ちこんでくれるクライアントという立場が最大の理由だろう。
(優秀な刑事だけど、シャーロックが必要とするスキルホルダーではない。)
この時点では付き合いの長さもあり、ジョンより遥かにシャーロックを信用してるし頼ってるのにね!
脱線したけど、ここでシャーロックが自分にとって理想的な【助手=相棒】を必要としていることがわかる。
病院関係者にゆくゆくの相棒を見据えた同居人探しを頼んだのも、医療関係者であれば事件現場でも使えるとふんでのことだろう。
ついに連続自殺事件に首を突っ込むことになり大喜びの探偵様、「今夜は遅くなる、先に寝ててくれ」って飛び出していく。
旦那かよ。
すかさず「せわしないわね、私の夫もああだった」とハドソンさん。
ジョンはシャーロックの夫じゃないですよ!なんて無邪気で愛らしい毒だろう。
「脚を休ませてね」って気遣いに対してムカつきMAXで怒鳴っちゃうジョン、痛いとこ突かれすぎて惨めかわいそう!
とりあえずハドソンさんにお茶とビスケットを要求したところでシャーロック出てくる、お前飛び出してっただろそこにいたのか、立ち聞きしてたんだなさすが変態だ。
しょうがない、相棒候補のことはより深く知らなきゃいけないからね。
そして、
「君は医者でしかも軍医だ(略)むごい死傷者を見てきた、トラブルも」
とじわじわ間をつめてくる、狩猟犬だ。
「人の一生分経験した」
ジョンはそろろ危険なニオイに気づいて毛穴が開きかけてる。
トドメの殺し文句は
「もっと見たい?」
「いいね」
はい合意した!いま合意したよ!夜ならこのままベッドに雪崩れ込んでも合意してるから誰にも怒られないよ!
まさに二人の初めてのセックス(暗喩)が始まった瞬間だ、ジョンの目に力が戻ってくる。
この一連の危険への誘惑がテンポよすぎて戦慄。
ところでジョン、どんだけ刺激欲してんだよ!悪夢にまで見る戦場で苦しんでたんじゃないんかい…!
(結局、戦場が恋しくて夢にまで見ていたという、戦場=トラウマとは真逆の状況だったのだ。)
シャーロックはどこかの段階で“ジョンには自分と同じように刺激が必要だ”とわかってて、じわじわとピンポイント爆撃で落としにかかり意のままにジョンを陥落する。
ジョンもジョンで願ってもないスリルへの誘いに抗えない、昨日知り合ったばかりのおかしな男にホイホイついてくなんて…ねぇ。
ジョンは自分を普通だと思っているし基本的に思考は普通の範囲だけど、そういう意味では十分に普通じゃない。
シャーロックと彼の誘いに抗えない時点で全く普通じゃない。
「Oh God, yes.(いいね)」
のうわ言のようにうっとりした感じ、押し殺した密やかな期待感。
「人の一生分のトラブルを経験した」と言いながら現在進行形で足りてない、とんだスリルジャンキー。
本当に普通の、兵士でも医師でもない凡庸な人々はそもそもシャーロックのほしい人材ではないのだから、この段階でお互いに必要なものを補い合える(であろう)と見込まれてしまった。
シャーロック的には、この「いいね」で2度目のチェックメイト完了。
まんまと自分の世界に引きずり込んで、ご主人様と犬が成立した。
引き続き実技および実践・実戦へ。
長くなったので、続きはまたの機会。
One thought on “SHERLOCK S1E1 ピンク色の研究 (1)”