犬とあなたの物語 いぬのえいががTBSチャンネル1で放送されていたので観た。(あらすじなど)
全く前情報を仕入れずに、のんびり”ながら見”していた。
当初、犬がらみのコメディ短編集かな、と思っていたんだ。
内野聖陽、やたら力が入っていて面白かった。(一瞬「臨場」かと)
生瀬勝久、多摩川河川敷で体張っててとてもよかった。
小倉智昭、ここで小倉さんを持ってくるのは反則だ、くそう。
高畑淳子、行き過ぎた妄想あるある。ビション・フリーゼかな?とっても可愛かった。
一郎くんという少年が、ジローという愛犬と仲良くなるお話。
夜中、熱を出して寝込んでいる一郎くんを、巨大化したジローがのぞきこんでおでこを触ったりする。
(翌朝、隣に寝ている)
そんな不思議な経験もありつつ、一郎くんとジローは大変仲良くなるけどもジローはある日交通事故で死んでしまう。
とても悲しんだ一郎くんは、自分より先に逝ってしまうならもう犬は飼わないと言う。
ここまで、犬がらみの「世にも不思議な物語」風かなくらいの雰囲気。
場面は変わり、大人になった一郎くん=大森南朋様が登場、ドン!(嫁の美里は松嶋菜々子。)
もうだめ、大森南朋が出てきただけで、途端に隠微でアダルトで、危険な匂いがプンプンする。
しかもそばにいるのが無駄に綺麗どころの松嶋菜々子、これから何が起きるのかとハラハラせざるを得ない。
理不尽な事件に巻き込まれて苦境に立たされるのか、嫁が寝取られるのか、自分が不倫するのか…この大森南朋登場シーンから見たらそんな不穏な展開しか想像できない。
それでなくても、不穏な気配しか立ち込めてない。
え、これ同じ映画なの?って、ほんの数分前までのほのぼのわんこコメディから急変した空気感に困惑。
大森南朋出しちゃダメ、こんなにものものしくエロい雰囲気の人ここに出しちゃダメ、どういうつもりなのって見守ってたら「若年性アルツハイマー」を発症。
シリアス展開キタコレ、なるほど大森南朋起用に納得。
悲嘆に暮れるその様も大変孤独極まっていて、寂しく、愛しく、かわいくて心震えた。
で、この映画で大事なはずの犬との心の交流の描写より、病状の悪化具合と、心を病んでいく様にフォーカスを当てられてしまっているから嬉しいものの重い。
自棄を起こして自分を傷つけたり、死にたがる大森南朋は病的でとても真に迫って儚くて素敵だったけど、都度都度わんこが救ってくれるような部分はほしかったかなァと思う。
ラストは、ラッキーという名前でしか反応しないはずの愛犬が、かつての愛犬「ジロー」の呼び名でも一郎の元に馳せる、というまとめ方。
犬との絆云々ともかく、シリアスに病んだ大森南朋も大変セクシーで、跪きたいくらいに圧倒的オスであったことが確認できた映画でした。
なので、大森南朋のストーリーだけ異質すぎるシリアスさと隠微さがにじみ出て完全に異質なので、前後のショートストーリーは切り離してここだけで1本映画にすればいいのにと思いました。
犬飼いたいな犬、「なお」って名前にしよう。