最近、ケーブルテレビで夜中にベルセルクをやっているので見ている。
ベルセルクの存在はしっていたが、単行本を読んだりアニメを見たことはなかった。
鷹の団のボスであるグリフィスが、かつて駆け出しであった頃、戦力費用を欲してチューダー帝国の権力者に体を差し出す。
これを、キャスカは以下のように説明する。(うろ覚えている程度のざっくりニュアンス)
てっとり早く成功するためには、ある程度の期間をかけて味方を戦死させるよりも、少しの間面倒なことを耐えてもそのほうがよいならそちらを選ぶ。
グリフィスは「自分一人が汚れずにいられるほど、自分の欲しいものはたやすく手に入るものではない」と言った。
キャスカは「大きなものを手にしようとする者は、それだけ人より多く何かに堪えているのだと思う」と陶酔している。
グリフィス大好きキャスカのうっとり評は置いといて、ああなるほど、と思ったことがある。
つい最近、これによく似た話を聞いたことがあるのだ。
枕営業が得意な人がいるよね、という話になった。
その思考が、どうしても理解できなかった。(理解したいわけではないが)
自分もやろうと思えばできるのかもしれないが、それを常套にして、そういうことを普通に行える神経が理解が及ばなかった。
自分がそういうことをして世を渡っていこうと考えたとき、全くリアリティがない。(だから手段として選ばないんだけど。)
ある人はこう説明してくれた。
「数日間、数週間めんどくさいことや苦痛に耐えるよりも、一晩ちょっと我慢して済むならそっちを選ぶ、っていう合理的な考えなんだよ」
合理的、そうかアレは合理的だったのか…という目からウロコだった。
「そういうときに、プライドとかそういうのはどうなの?傷ついたりしないの?」
なんて幼い疑問を投げたら
「そういうのないからできるんじゃないの?」
って。
本当のところは人によるのかもしれないけれど。
そんな折、今宵のベルセルクで全く同じようなシチュエーションで、同じような説明がされたものだから、
「なにこれ知ってる感じ!」
とビックリしたというわけ。
だからグリフィスは「これ以上味方の被害を拡大させないように」というもっともらしい理由だったけど、たぶんそれはごく表向きのタテマエで、本音は「さっさと夢を叶えたい」というごくシンプルで血の通っていないものなんじゃないかな、と思った。
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