(3)のつづき
2014年を伊豆の由緒ある温泉宿で迎えたのは非現実感はとてもプレミアム感があったが、いくつか難点もあった。
まず、宿(本館)が明治の建物のため、隙間風がすごかった。
また風も強かったため、建て付けが甘い窓がガタガタと一晩中鳴っている。
川の側だから、水の流れる音がずっと聞こえているため、慣れてしまえば窓の騒音も気にならなくなるが、神経質な人は向いてないかもしれない。
余談だが、実家は東名高速道路沿いにあったため16くらいまでゴウゴウというエンジン音の側で寝るのは慣れっこだった。
引っ越した後も、側にはバイパスが走っていたから大して変わらない。
現在もとある大きな街道沿いに住んでいるから、夜中のゴウゴウには慣れっこだ。
(よいことではないかもしれないけど)
一番気になったのは、乾燥であった。
防寒用にエアコンはあるものの、加湿機能はないのでエアコンをつけているととても乾燥する。
叔母が「乾燥する」ってヒィヒィ言いながら夜中起きて水を飲んでいたものだ。
夜も遅かったのでわざわざ加湿器の貸出を聞いたりはしなかったが、秋冬に宿泊を検討しているなら、予め問い合わせておくといいだろう。
新年が明けた興奮に眠れず、布団にくるまってダラダラとナイナイのおもしろ荘を眺めていると、末の妹も眠れない、と起きだしたので、「よっしゃ、もうひとつの温泉に入りに行こうか」と誘い出した。
年越し前には露天風呂に入ったので、次は「榧(かや)風呂」へ。
時計の針は26時を過ぎており、さすがにこんな夜中にお風呂に入っている宿泊客は他にいなかった。
榧(かや)風呂は、かの川端康成も愛し、日に何度も入ったと言う。
おそらく小説「伊豆の踊子」で主人公が入っているお風呂もここがモデルだろう、「伊豆の踊子風呂」と書かれていた。

地下に作られていて、脱衣所を経て中に入るといきなり急な階段がある。
地下の浴場を見下ろしたところ。
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浴槽の内部が榧造りだから「榧(かや)風呂」、常に源泉が注がれている。
飲泉することもでき、注ぎ口にはカップも置かれていたが、入った時は飲泉できると知らなかったので残念ながら飲んでいない。
20分程浸かって湯冷めしかけていた体を温め直すと、部屋へ戻ってさすがに寝た。
何時に起きたかは忘れてしまったが、朝食を8時半に指定したと思うので8時には起きたと思う。
朝イチで部屋から外を眺めてみた。
川の対岸、向かいに見えるのが、踊り子が飛び出してくる共用風呂だ。(右のほう)

朝ごはん。元日ということで、おせちメニューであった。
鯛のおかしら付きがまるまる一尾、たいへん目出鯛。
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お雑煮は醤油ベースのお吸い物タイプ。
我が家のお雑煮も醤油ベースだけど、お餅は煮込んでいるのでつゆが濁っているからちょっと違う。
(私はお吸い物タイプのほうが好きだけど)

ごはんの途中で女将さんが新年のご挨拶にいらして、お屠蘇をくださった。

ご飯をいただいてごちそうさまをしてから、帰路と初詣に向けてチェックアウトをした。
女将さんに、記念撮影をしてもらいました。
年末年始、家族で素敵な思い出ができてよかったです。
大変お世話になりました。

宿を出て左、橋をわたらずに少し進んだところに、伊豆の踊子の記念碑が。
最後にこれを拝んでから、湯ヶ野温泉を後にした。
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伊豆の踊子の宿「福田屋」 おわり